大阪純喫茶でたまごサンドをひたすら食べ比べてみた ~後編~
前回に引き続き、大阪の純喫茶巡りをする二日目。
びっくりする程たまごサンドしか食べてないのでカレーとか食べたい気持ちで一杯です。それかビリヤニ食べたい。
以下、自分を縛る内容を振りかえります。
- 店舗ごとにたまごサンドを注文する
- 店舗ごとにコーヒーを注文する
- たまごサンドは一人で食べ切る
- 元々のスケジュールの合間に全てを行う
自分で決めたこととは言え、なんでこんな真似をと
後悔し始めましたが今日も張り切ってたまごサンドを食べましょう。
⑥スパニョラ
大阪駅前第3ビルの地下二階。昨日、営業時間短縮のため、間に合わず入れなかったこちらにやってきました。
モーニングの時間に「たまごサンドはできない」と言われたら困るので11時来店。
店員はおっちゃん二人。
こちらは喫煙可能。銀色の灰皿がこちらを見ています。
しかし書体が怖いな……。
コーヒーはブレンドを選択。少し苦みはあるけれど飲みやすい。
しっかりした厚焼き玉子・レタス、トマト、ケチャップ。パンふわふわどっしり。
焼きたてで熱々。
どこか鉄道の食堂車を思わせる店。ちょうどモーニング終わりの時間で空いてたのは良いけれど。めっちゃこっちの動きを見てる気配がする。
喫茶店は適当に放っておいてくれるくらいが良いんだけどな……。
サンドイッチを食べ終わると同時にお皿を下げられ、なんだか居辛いのでコーヒーを飲み干してさっさと退店。昼休みに入りたかったのかもしれない。
⑦King of Kings
こちらマヅラの姉妹店。おなじく大阪駅前第1ビルB1F。
もちろん喫煙のこちら。めっちゃ煙草を吸いたくなるような良い雰囲気。
店に入ると元気なおばちゃんと奥に男性。
さてたまごサンドとコーヒーを頼むターイム。
食事はBarなのでマヅラよりちょっとお高め設定。
頼んだコーヒーがびっくりするくらい熱かった。多分カップを温めてくれたのだろう……。手記はそこで途絶えている。
たまごサンドの方は潰した卵、サニーレタス。マヨ多め、キャベツ。パン薄くて柔らかい。ここまでマヅラと同じ感じ。
こちらの方が胡椒が効いて大人味。あともっしゃもしゃ感が控えめで美味しい。
周りを見渡すと夜はBarになるのも納得の雰囲気。ピアノまである。
ステンドグラスがめっちゃ幻想的だけどおばちゃんの元気な呼び込みで現実に戻される。
まったく大阪って感じだぜ!!
ここからは元からの予定。もぐおさんの開催するBarに花束持って行ったり、
一回行ってみたかったSMBarに行ったりして小粋な時間を過ごした。
⑧喫茶 アリサ
さて最終日の朝早く。
昨日から一蘭が食べたくて仕方がない病気に掛かりました。
なにせ宿泊ホテルから徒歩5分くらいにあるわけで。何回もその前通ってるわけで。10時から開いてるとか見えたわけで。
理性とがっちり肩を組み、なんとかとんこつラーメン食べたい欲から逃げ切ることが出来た自分をめっちゃ褒めたい。
大阪メトロ御堂筋線 / 梅田駅(出入口5) 徒歩4分(270m)。
私は地上から阪急の端っこを目指してたどり着いた。
モーニングのこのシンプルさ。
店員さんは男女のアジア系の二人。
勿論喫煙可。重量感のある灰皿が構えております。
コーヒーは少し苦めのお味。
メニューにたまごサンドはなかった(ホットドッグが人気だそう)ので入口の看板に乗っていたモーニングを頂きました。トーストとたまごで簡易たまごサンド、ってね。
トーストはふっくらもちもちバター効いてて美味。
卵は冷やしてあるけど半熟でこれがまた良い。
煙草がもくもくっとしてますがとても落ち着ける雰囲気で、高架下なので時々揺れます。
時間があったので小説を読み進めましたけど居心地良し。
⑨Y・C 梅田店
ラストを飾るのはこちら。
新梅田食道街 1Fにあるこのお店。中の階段で2Fへ上ります。
店内喫煙可。銀色の灰皿がスタンバってます。そして煙がもくもくしてます。
コーヒーはポットで出てきますのでたっぷりめに飲めるのが嬉しい。
たまごサンドは焼き玉子と薄めのトマト、デミグラスソース。パンは薄めでふかふか。焼きたてで熱々。※11時以降しか注文できないのでご注意を。
広い店内で賑やか。煙草が気にならないor吸う人ならのんびり喋りやすいかも。
そのせいでしょうか。右隣からは先輩風を吹かせたメンズとその後輩二人のねずみ講めいたコントみたいな会話、正面からはマッチングアプリで知り合ったであろう40代男女の嚙み合ってない会話が聞こえて軽く地獄でした。
一人だと周りの音が聞こえすぎて良くないですね。
まとめ
これだけ連続でたまごサンドを食べたので暫くは食べたくないや!
と思っていたのですが、ところがどっこいすぐ食べたくなるあたりがたまごサンドの魅力ではないでしょうか。
それではまた。
大阪純喫茶でたまごサンドをひたすら食べ比べてみた ~前編~
大阪に行く用事が出来たので息を吐くように
「っしゃ。前から行きたかった純喫茶に行くかな!」
と思いついたよしきちです。
純喫茶と言えばたまごサンド。周りの関西人からそう教わりました。
だったら純喫茶巡りとたまごサンド巡り、同時にすれば良いじゃない。
私の中の一休さんが閃きます。
そんなわけで大阪駅周辺の純喫茶とたまごサンドについて
調べてみたら思った以上にありました。店舗が。
こんなにあるとはね!わくわくすっぞ!と
計画を立てていましたら隣からツッコミが入る。
同居人「待て。2日ちょいで何店舗回る気だ」
私「無論、(胃が)死ぬまで」
年末年始の断食に加え、日々の16時間断食のおかげで胃のキャパが
かなり小さくなってるけど縛りプレイが好きなのでイケるとこまでいこうかと。
以下、自分を縛る内容です。
- 店舗ごとにたまごサンドを注文する
- 店舗ごとにコーヒーを注文する
- たまごサンドは一人で食べ切る
- 元々のスケジュールの合間に全てを行う
それでは行ってきます。
①珈琲の森
まずはこちらの店舗にやってきました。
一日目の今日は大阪に画材を買いに来た同居人氏も同行します。
が、たまごサンドは一人で食べるルールなのでただの同行です。
阪急梅田駅より徒歩5分。茶屋町方面にありますこちら。
煙草:禁煙でした。入口にガッツリ貼ってありますね。
モーニングの値段が400円~450円ね。と、この時は思ってたんです。
移動に疲れ食べ物を待ち焦がれる同居人氏。勢いが凄い。
因みに彼女はシナモントーストとカフェオレのモーニングを頼みました。
写真を撮るために配置換えしてるのはご愛敬。
しかしカフェオレ、シナモントースト、サラダのこの内容で450円は安すぎない?
値段設定に俄かに不安になります。高くても安くても不安になる、人間そんなものです。
で。私の方のミックスサンドなんですがこのボリュームにコーヒー・サラダを付けて450円?は????
大阪の価格破壊は凄まじいものがあるな……。
コーヒーはあっさりしていて飲みやすい。おかわりしたい味。
厚焼き卵にハムときゅうり。ケチャップ。パンがふっかふか。
つまりめちゃめちゃ美味い。最高。最&高。
小さめの店内。しかし隣の席の二人が凄かった。
多分20代後半くらいの派手な女性たちだったのですが。
このご時世なのに居酒屋のボリュームで喋る。思わず顔を背けるレベルで喋る。
「オシャンな料理食べたい~」
「前に行った○○って国では~」
「前に付き合ってた40代の人が凄くて~」
「若いイケメンが見られる場所があって~」
バブル時代へGO……???
みたいな感じで面白過ぎたのでした。右隣、モザイク掛かってますが見た目は現代っ子ぽいのに発言が30年前だった謎。
でも「元カレが連れて行ってくれた店で揚げるのに50分掛かる芋の天ぷらがある」「元カレはさつまいもに詳しくて~」発言はちょっと良かった。
②ダイヤ
宿泊の為ホテルに荷物を預けたのですが、熱い。暑いっていうか熱い。
外をなるべく歩きたくない季節が近づいてきましたね。
JR大阪環状線福島駅から徒歩1分。ちょいとだけ梅田から遠いこちら。
駅の対面にある七福神が目印。横断歩道を渡りまして。
ひゅー!純喫茶!って感じの純喫茶だ!
喫煙可能店&未成年は不向きな気配がシールから漂う。
メニュー表はこんな感じ。いい雰囲気だ。
モーニングサービスは380円。安いゾ。
コーヒー:結構酸味があるお味。たまごサンドと合う。
サンドは硬めに茹でたゆで卵を潰してソースを効かせたタイプ。パンは薄めでTHEサンドイッチ~って感じ。懐かしい。
こちらは同居人氏が食べたお好みサンド。
二時間ほど前にシナモントーストのモーニングセット食べたことを
完全に忘れて注文してる量。
たまごサンドを交換したところ、こちらの方が胡椒が効いていた。
そして案の定満腹で自爆前のセルみたいになっていた。
こちらのお店はマスター(確か80代)とお姉さん二人が切り盛り。
中心がカウンターになっていて昔ながら~って感じが良かった。
私たちが帰る直前、お昼休憩らしい地元の常連客さんがわーっと入ってきて一気にモクモクと煙草の煙。おお、純喫茶っぽい。
煙草が苦手な方、お子様には決しておススメできない。入口に書いてある通りである。
~余談~
この後反対側から外観写真を撮ってたらスーツ姿の男性に声を掛けられました。
よしきち (たまごサンドを食べまくる遊びをしてるとか説明が面倒くさい)
よしきち「さっき行ってきたんですけど昔ながらの喫茶店で面白かったので~」
男性「へえ、そうなんですね~」
よしきち「煙草も吸えましたよ。っていうか煙草を吸う店でした」
~同居人氏はこんな時気配を大樹のごとく消します~
男性「それは良いですね、ところでこれを見てほしいんですけど」
よしきち (お、マルチの勧誘かな?)
男性「これ、僕の彼女なんです」
よしきち「お、おう」
男性「それで、これが僕のやってるバンド」
よしきち「へえ~。それじゃあ!」
あれはなんだったんだろう。
③アリア
同居人氏は自爆を免れ日本橋へ画材を買いに。
私の方は予定の前にもう一軒行きたかった純喫茶が。
大阪市営谷町線東梅田駅4番口 徒歩6分。
ちょっと怪しいホテル街にございます。階段を下りて地下へ。
前以て知らなかったら中々入りにくい雰囲気のこちら。
え、Wi-Fi飛んでるの⁉現代~!!
階段を降りた先に入口が。さあ勇気を出して入ってみましょう。
店はおっちゃんとおばちゃんがやってるようです。
どこでも座っていいわよーと言って貰えたので奥の席へ。
椅子の座り心地が妙に良い……!
そして広くて居やすい雰囲気なうえ、Wi-Fiまで完備されている為か皆煙草を吸いながら寛いでいる。いいぞ、ここはかなり良い。良いしか言ってない。
勿論喫煙のこちらのお店では昔ながらのクリスタルな灰皿がどっしり待ってます。
たまごサンドは無かったので、こちらではホットコーヒーを頂いて休憩を取ることに。
コーヒーは酸味が少し。飲みやすい。
エアコンの温度も良い感じ。一人客が多く私以外皆煙草吸ってます。
煙草平気ならずっと居られるなここ。
一人で近くまで来たときは是非休憩に使いたい。しかし土日はお休みとのこと。
~余談2~
目的の店の営業開始まで10分ほどあったので、泉の広場で時間を潰してたら40代くらいの人にナンパされた。
というかあれは立ちんぼに間違われてた可能性が高い。大阪怖い。
~ここで一旦、水煙草体験をしに梅田へ~
~初めて行ったけど二時間くらいダラダラ吸ってた~
④喫茶サンシャイン
水煙草で肺をスモークした後、ホテルにチェックインして暑さと荷物で死にかけた同居人氏と東梅田駅で合流。
「ナニカ、ノミタイ」しか言わないので予定を繰り上げ、すぐ近くの店に行くことに。
東梅田駅 7番出口 地下直結すぐ。
サンドイッチセットに玉子を発見。こちらを注文します。
こちらは禁煙。ホットケーキが有名だとか (すっかり空腹になった&甘いものを摂取したがった同居人が食べました)
水を一気飲みした後、ミックスジュースを飲み
「生き返った……」と甘味を貪っていました。
炎天下で画材ってか紙を大量に買ったからでしょう。
こちらのコーヒーは苦味が効いてます。こだわりの店のお味。
たまごサンドの中身は薄目に焼いた卵にトマトが厚めでとてもジューシー。
さっぱりとした味でサクサク食べてしまった。パイナップルも乗ってるぞ。
店は広い~狭いのちょうど真ん中辺りの広さ。
静かめ(※対・珈琲の森比)でゆっくりしやすい雰囲気でした。
Wi-Fiも完備。居てもいいよって言われてる感が嬉しい。
⑤マヅラ喫茶店
荷物を抱えた同居人氏とは別れて、更にもう一軒。
大阪駅前第1ビルB1F、特徴的なこの店構え。この人形が2個あるとはね。
名物店長(100歳超え)は今はご時世的にお店に出てないのでしょうか。
自分の親より上かな?くらいの男性店員に促され、禁煙ゾーンどこでも座っていいですよと言われたのでまた端っこの席へ。
煙草は分煙の様子。
椅子が、なんか座りにくいのです。アリアと似てるのに。
メニューはこんな感じ。純喫茶ってる。勿論たまごサンドとコーヒーをオーダー。したいんですが店内広いし店員さん全然こっちに来ないので待ちぼうけ。
暇すぎて写真を撮る私。
他のお客さんが禁煙ゾーンに入ってきまして、後ろから付いてきた店員さんをようやく捕まえて注文。
母親くらいの女性店員の愛想が無さ過ぎて逆にワクワクしてきましたよ。
しかし先程きたお客さん2人連れは無表情な女性店員に2人席に通されたようですが、鞄置きもなく狭そう。
めっちゃ席空いてるのに。私、3人席に1人で座ってるのに。
その後またさっきの男性店員が「どちらでもどうぞ」と案内された2人連れは4人席へ。
oh……気まずいですよこれは。
店側でその辺統一して頂きたい……!
さてやっと来ましたコーヒー。かなり酸味が効いてます。酸っぱ!ってなった程度に。
たまごサンドは潰したゆで卵にサニーレタス。マヨネーズ多め、キャベツ。パン薄くて柔らかい。おてふき付き。
味は時に特筆すべきことが無い味なのがまた面白い。
強いて言うならサニーレタスの存在感が凄い。もしゃもしゃ。苦味。
そんな店ですが店内は宇宙船の中のようでかなり広い。
しかしミラーボールが反射して写真が凄いことに。
雰囲気はいいけど椅子と居づらい雰囲気だったのとサニーレタスがもっしゃもしゃしたので再訪はしない……かな。※一個人の意見です。
以上、一日で五件の喫茶店と水煙草と変な声掛け二件をこなし、満腹のままホテルへ戻ったのでした。
後編へ続く。
B'zガチ勢だけど、本当に気分が底の時は稲葉浩志のソロを聴く
※noteからの移設です。少しだけ追記あり。
しかしB'zって本当に素晴らしいですよね。
追記
メンタルが疲れたら、でっかいものが見たくなる。|よしきち|note
疲れた時、小雨の明石海峡大橋の下でのマグマ。
誰もいないから通しで聞きながら歌いましたが最高でした。
でもお腹は冷えで痛くなりました。
徐々に顔が国籍不明になっていく私と、暴れる天パと。
年々顔が濃くなる。
これだけを聞いたら「お前は何を言っているんだ?」
そう言われそうだが、こうとしか言いようが無い。
確実に顔が濃くなってきている。
初めてそれを自覚したのは地元から離れ高専に入った時だった。
住んでいた町は、町民皆顔見知り。
歩いてる奴は大体知り合いという程度の低いラップが歌えそうなレベルの田舎。
そこから二つ隣の市の学校へ進学し、ほぼ完封試合レベルで知らない人だらけになった。
入学してすぐのレクリエーション的な時だったと思う。
たまたま隣の列に並んだ他のクラスの女子に
「ねえ、どこ(の国)とのハーフ?」
そう、にこやかに問われた。
それまでの人生、そんなことを言われたことなど無かった私に対し、ハーフか否かと言う部分を仙道レベルのドリブルであっさり抜き去り、そのまま速度を落とさずいきなり親の国籍を聞いてくるというシュートの速さ。
それを食らった私はものすごい間抜けな顔をしていたと思う。
This is HATO ga MAMEDEPPO.
この日を境に顔が濃い人としての人生は幕を開けた。
どうやら鼻が人より高いと知ったのもこの頃だった。
え?何?自虐風自慢乙と思われても仕方ないが本当に知らなかった。
私の目に特攻してくる虫よりも、死の商人こと花粉よりも写真を撮られるのが大嫌いだったせいで自分の横顔をまともに見たことが無かったのだ。
子供の頃、わりと真剣に「どうして私の鼻の穴は皆よりデカいんだ。WHYどういうつもり……」と悩んでいた。
いや、気付けよ。
そうしてる内に遺伝した天然パーマは年々クルクルうねり、自己主張を始めた。
そこに畳み掛けるかのように、2000年代特有の空気感で毛染めをしまくったことで髪の毛が痛んで猫っ毛化が進んでいった。
その結果。見事な外国人風ヘアの完成である。
事は悪化の一途を辿っていた。
成人になり学校を出た後も快進撃は続く。
会社に入り所属部署に配属された初日。
偉い人たちに「君は英語が出来るらしいね!」と言われ宇宙が見える事件が勃発。
面接でも研修でも英語の話など1nmもした覚えは無い。
完全に見た目だけで噂が回っていたのだ。
英語なんてむしろ苦手だ。高専の英語は中学レベルだ。
ファッキン。I am a Japanese.
新人として強制労働中の会社のファミリーイベント。
上司が子供に「パパの部下には外国人が居るんだぞ!凄いだろ!」とかましたせいで純粋な瞳のキッズに「ハロー……」とはにかみながら話しかけられたこともある。
その後、会う度に英語で挨拶され、その度にそれっぽく返事をし続けた。
子どもの夢を壊さないで★と上司が言うからだ。
嘘だ。面白いからこのまま泳がせておこうとしているのは見え見えだった。
だが私もそれに乗っかった。面白いから。
その後、会うことは無くなったが彼。
私のことをスウェーデンと日本のハーフだとずっと信じたままで、高校を卒業する直前にやっとネタばらしをされたらしい。
10年越しのネタばらし。
彼が家庭内暴力に走った話は聞いてないが今後が心配である。
まあそうは言っても!そんなに言うほど変化してないはず!
ちょっと濃いくらいじゃんね?関西人って大袈裟ですわ!
そう思い込もうとしていた時期もあった。
が。私の17歳から10年分の資格免許を6枚を見た後輩(チャラ男)に
「うわ!外人に向かって進化してるし!!!」
と腹を抱えて笑われた。
全くこれだから若者は。オーバーアクションが過ぎるぜ!
鼻で笑いつつ横目で見たら(ホンマや)と素直に感じたのでは思い込みでは無いらしい。困った。困った……。
気が付けば30代になっていた。
徐々に眉と目の距離が近づいている。おっかしいなぁ~?なある日。
美容院にて、新しく入店したばかりのお姉さんがやたら私の顔を見てくる。
しかしまあ、ここまで来たらこんなの慣れっこである。
次の台詞はいつも同じだ。
「お客様って〜ハーフの方ですか?」
はい来ました。いつもの。叔父の顏レベルで見るやつですわ。
こんな問答さっさと蹴散らしてくれるわ。
いつも通り「いえ、ハーフでは無いんですよ〜」
良く間違われます~★とゆる〜く否定したら
「あ〜……。日本は長いんですか?」
と更に一段上の答えが返ってきた。
私の脳裏には偉大なる外国人顔、平井堅の笑顔が浮かんだ。
あれがもしかして私の未来の姿。彼こそがPOP STAR.
業務のお姉さんとの会話で「おばあちゃんロシア人だから」なんて適当なことを言い、通りすがりの同僚がそれを真に受ける事変の勃発。
「お、俺の心を裏切ったな」と言われて咄嗟に謝罪したのだが、この場合私は悪いのだろうか。
営業の人から
「東京から来た営業さんに『この事業所は外人さん居るんだね~』って言われてたよ」
「だから凄いやろ~って言っといた」
そう教えられたけど、誤解は解けたんでしょうか。
そして令和になって始めての正月。
帰省し、昔のアルバムの整頓がてら写真を皆で見ていた。
皆が集まる年末の、和やかムードの中。私の顔をじっと見て、母がぶっこんできた。
「……あんたは、一体誰に似たのかね?」
その一言で時は止まった。
「年々顔が濃くなるけど、なんで?」
それは私も聞きたい。
今まで母だけが私の顏が濃いことを否定し続けてきたのに。
ここにきて急激な進路変更。
今後このペースでいけばハワイが日本にゆっくり近づいてきているように私の顏も緩やかに立体的に進化していくことであろう。
現在。
最近新人たちから何も言われなくなり、急に落ち着いたな~と思っていたんですが。
ここ最近立て続けに
「え、パーマじゃないんですか?えぇ……」
「日本人だったんっすか……?」と聞かれ、初めて色々解りました。
もう、聞いても貰えないとこまで来てるってね。HAHAHA!
Спасибо, что уделили мне свое драгоценное время!
ムダ毛との20年戦争
はじめに。
物心付いた時、既にムダ毛は居た。共存を望んだ覚えは無い。
むしろ望まない。望むわけが無い。でもなんか知らんが居た。
気が付いた時には皮膚を不法占拠されていた。
腕も足も脇も顔も。っていうかもう全身。
野原ヒロシの顎=私の膝
この方程式を見れば凄まじさが伝わるだろう。
並みの人間なら膝から崩れ落ち、女に幻想を抱いている輩は失禁するレベルの濃さ。
奴らは一体どこからやって来たのか。
目の敵にし、抗い続けた、黒い青春。
「僕の青春はムダ毛との青春!
これからその青春に決着を付ける!」
声高らかに何度も戦いを挑むも、相当しぶといムダ毛軍との戦いの歴史は既に20年を超えた。
そしてその戦いは未だ続いている。そう……未だに続いているのである。
戦いの夜明け ~毛刈りのはじまりとピンセット~
その空しい物語の始まりは小学生時代にまで遡る。
成長期と共に忍び寄ってきた黒き悪魔、ムダ毛。
細かい記憶はだいぶ薄れているが、この頃には既に戦いの火蓋は切って落とされていたとされる。
小学生と言うのは手足を衣服から出す生き物である。
肌が出る、即ち毛が見える。
だがしかし。田舎の小学生だった私は太陽が出ている間は全て活動時間とばかりに外で過ごしていた。大体原始人と同じ感じと言えば解りやすいだろう。
その辺の木の実を千切って食べ、土手から取ったイタドリを齧り、草むらに入っては秘密基地を作る。
夏はプールのはしごをし、冬は鬼がガチ泣きするレベルで本気の缶蹴りをする。
そんな風に外に居続けた為に夏の間に2度脱皮できるくらい真っ黒だった。
そして日に焼けるとムダ毛は金色に輝き、薄く見える。
故にムダ毛はすぐそばに居るが、それほど気にしなくても済んだ古き良き時代であった。
しかし、中学生になり空前の美白ブームが訪れた。
友人たちと『イカより白く』のキャッチフレーズの下、鈴木その子氏を教祖とした美白倶楽部の結成。
親、殺された?それとも村を焼かれた?
そんなレベルで日焼けを目の敵にし、太陽を避けて生きるようになった、柱の男ならぬその子の女。
マメな日焼け止めの塗布、徹底的に太陽光から肌を隠すといった努力を積み重ね、遂には色白の肌を取り戻した。
しかし、喜びは長くは続かなかった。肌の白さを取り戻した代償として、14歳の私が失ったのは人としての尊厳であった。
――今までさほど気にならなかった毛が自己主張を始めた。
その毛は、異様に濃かった。
なんだこの女子中学生という夢見がちな生き物に似つかわしくない黒き衣は。どうして存在しない敵から私を守ろうとするんだ。
この私がそんな軟弱な女に見えるのか。守備を頼んだ覚えは1μmも無い。
小学生に引き続き、中学生も生足を出すのがその血の運命だ。
そうすると黒々、ファさりとした手足の毛はめちゃくちゃ目立つ。
なんだこの量。この太さ。黒々した毛は。嫌すぎる。
毛が、憎い。
こりゃもうムダ毛ってレベルじゃねーぞ!ここまで濃ければそんな温い名称では例えることが出来ない。
おまけに厄介なことに私のムダ毛軍はただ徒らに兵の数が多いだけでなく
意識の高さ(黒い!)
強靭な肉体(太い!)
成長性A(早い!)
を兼ね備えた、何処に出しても見劣りしない一流の兵士たち。
剃刀で剃ってツルツルにしても、次の日にはブツブツと黒い塊が出来る最悪の狂人集団。
そのため一匹一匹、必死こいて毛抜きでムダ毛を抜いていた。
手で、毛抜きで大草原を除草する。果てしないこの労力。
何故女子中学生の私がこんな苦労を?
他の皆はせいぜい剃刀で剃るくらいでハッピーに生きてるじゃないか。
完全に余談だが、弟たちは男性ホルモン過多かな?ってレベルで毛が濃い。
『あなたのギャランドゥは何処から?』と身体の境界線について聞きたくなるくらいにボディが毛で覆われている。
私が知る中だと山田孝之に近い。
そんな弟の部屋を掃除すると縮れた毛が無数に落ちていて、十代だった私はイラつきから「妖怪チン毛散らし」なるあだ名で彼らを呼んでいた。
なんだこの呪われた姉弟。
中学校を卒業し高専に入っても同じく毛抜き人生は続いた。
年下のギャルに勧められるままに除毛クリームなんぞ使ってみたが、やはり下馬評は覆せず。
毛軍の圧倒的なパワーの前には歯も立たず、溶かした毛は音を置き去りにするレベルの速さで蘇ってきた。そして、肌荒れだけが残った。
仕方なく、また手で一本ずつ毛を抜く。私には僅かな休息も許されないと言うのか。毛、頼むから永遠に眠ってくれ。
結局20歳になるまで毛を抜くことに翻弄され、前述の通り黒い青春を送った。
大人なのでお金を使って脱毛してみよう!~脱毛器、レーザー脱毛編~
そして社会人になり、毎日会社に行って労働するだけで不思議と安定した収入が毎月振り込まれるようになった。
留学生でクラスメイトのタイ人から「金の話やめろ!」と怒られた学生時代とは雲泥の差。
なにせJKにGの死骸の山を掃き掃除させるようなブラックなアルバイト
での時給が620円スタートだったもんで。2000年代やぞ。
そんなわけで社会人生活の中、収入に合わせてさまざまな脱毛方法を試すこととなる。
まずは稲の収穫かな?レベルでバリバリバリと毛を引っこ抜く脱毛器を買った。
これはもう物理的に力技で引っこ抜く。
毛を巻き込むように掴んで毟り取る。完全に田んぼで見るあれをモデルにしてるやつ。
こいつで脇の脱毛をすれば、かなりの痛みを伴うこの脱毛器。
だが長年自らの手で毛を毟ってきた私にとっては輪ゴムが軽く当たった程度にしか感じぬ。掛かってこい!
暗い部屋で1人、テレビは点けたまま。手で1本1本ムダ毛を抜いていた頃から考えればこのバリバリ音も軽やかな文明開花の音である。
むしろ愉快になってきた。さあ収穫の時間だ!得る物なんて何もないけど!
そんな脱毛器ライフを送りつつも新たにレーザー脱毛と言うものに手を出し、脇と膝下を焼き払った。
この2箇所だけなのは2箇所までこの金額、という縛りがあり、当時の金額は就職してそんなに経ってない20歳そこそこの女にはそれでも高額だったからである。出来れば腕も太腿もその他もお願いしたかった。
往復2時間。まじめに通い続け、年季が開けた時。
以前に比べ確実に毛は減った。手ごたえを感じた時には「YES!YES!」と両拳を突上げた。
しかし奴らは何度でも蘇ってきた。
多少なりとも薄くなった膝下と脇の毛だが、居なくなったわけではない。
毛軍の中でもエリートが集まる場所だけある。気が付けばニョキニョキと蘇ってきた。
「HAHAHA!そんな獲物じゃ俺たちを殺れねえよ!」と言われているような気すらしてくる。死滅してくれ頼むから。
それにその頃住んでいた家から都市部へと通うのも骨が折れた。
どうにかジェノサイドを、出来れば全身。手軽に出来ないものか?
しかし当時臆病な自尊心を飼い太らせ「人前でなんて脱げるか!」と大浴場にも温泉にも行けなかった人間だ。
全身脱毛を店で知らん人にしてもらうのには、かなりの抵抗があった。
大体毛があるから風呂で人に見られるのすら嫌なのに、間近でくっきりはっきり見られるなんて絶対にごめんだ!そう思っていたのだ。
考えに考え、その時に購入したのが家庭用のレーザー脱毛器。
これはかなり値が張った。でも欲しかったから買っちゃった!イェイ!
大人になるってこう言うことさ!
レーザー銃のようなブツを片手で持ち、小さな丸の照射口をドット絵でも描くが如く、ひたすら肌に押し当てる。
上手いこと照射されれば「ピロン♪」と軽快な音が鳴り、当て方が悪いと照射失敗。「ブー!」と妙にイラッとする音が鳴る。これの繰り返しだ。無の境地で自分の肌に丸く平べったい突起を押し付ける。
ピロン♪ ピロン♪ ピロン♪ ブー! ピロン♪ ブー!ブー! ピロ…
写経でもしている心持だった。
単調に繰り返される動きに感情が失せた顔。
装置が自分を冷まそうと発する冷却音。
わりとすぐに切れる充電。充電を待ってまた打つ。
傍から見ても修行のようなこの光景。
これを続けていけば、いずれ悟れるのでは?そう思ったが悟れなかった。
散滅すべし!毛根!!この気持ちが無くなら無い限り悟る日など来ない。
その後。毛根を死滅させる前に脱毛器が先に動かなくなった。
無理をさせていた自覚はあるが保障期間過ぎたらすぐ壊れるの法律で禁止してほしい。
結局、毛軍の強さに人類はまた敗北し、辛酸を舐めたのだ。
それから数年。相も変わらずバリバリ音をたて、毛を引っこ抜いていたある日。ついに精神に限界がきた。
「……人の手で、脱毛しよう」
やっとここまで辿り着いたのである。
思い立ったら即吉日。
良き友人であるGoogle先生にアドバイス頂き、口コミも良く自宅から通いやすい。なにより勧誘がしつこくないと評価される脱毛ラボを見つけ、即時契約。本気の全身脱毛が始まった。
これがまあ、痛い。
毛が濃いところほど痛いと言うが脇、膝のしぶとい生き残りとVIOはでっけえ輪ゴムでバチン!とやられるより痛い。
それでも「ふふふ……この痛み……毛根も苦しみよるわ!」と耐えた。
熱を持った箇所のお冷やしでジェントリーウィープスされて氷の世界を味わっても耐えた。むしろこっちの方が辛かった。
冷たいはK点を越すと痛いのだと知った二十八の昼。
そんなこんなで12回は通っただろうか。
確かに毛が薄くなった。以前のムダ毛ファサ子状態から考えれば、全身まんべんなく薄くなった。
腕なんてあの頃の大草原不可避から考えられない。焼畑農業さながらだ。
足もかなり開拓され、もう生き物は住めそうに無い。
二回転脱毛してる膝下なんてツルツルだ。
でも絶滅させることは叶わない。まだダメか。
金額のこともあり、延長を申し込むかどうかのところで仕事も忙しくなり、脱毛熱は少し冷めたので一旦休戦とした。
因みに延長の勧誘とか本当に一切無かった。ガツガツしてないとことサクサク処理してくれるところが本当に良かった。
脱毛ラボと口コミを書いてくれてた人に感謝。
果てしない闇の向こうにWOW WOW 医療レーザー脱毛
そして2年の月日が流れた。
奴らが、帰ってきた。そろりそろりと舞い戻るように姿見せた黒い毛よ。
特に脇と、膝。おまえらは不死身か。
一番手塩にかけてあれだけ何度も焼き払ってやったのに何故蘇るのか。
あと顎とか口元。私は性別を超越したくないの!生えてこないで!
ファッキンクソ毛根。
確実に減りはしたが全身にまだ残りし毛よ。
「この薄さなら気にならないよ~」そんな風に言われたりもしたが、素人は黙ってろ。こちとら20年戦争の真っただ中である。
ゴールはここじゃない。まだ終わりじゃない。
全てを無に返さないと気が済まぬ。
「ええい!1本たりとも逃すか!焼き尽くしてくれる!」
私の中の第六天魔王が叫ぶ。
そして1年前。なんか色々あって奇跡的に出来た彼氏がネットで良く見る漫画広告かよレベルでハイスペックだったことに舞い上がり、最終手段に手を出した。
医療用レーザー脱毛様の登場である。
※因みに前述の男とは自然消滅した。最期のLINEでの会話は「ラーメン博物館」情報の誤送信だ。もう恋なんてしない
「Google Is Your Friend」とばかりに得意のネット検索をしまくって見つけた某クリニック。
『資格を持った医療従事者が対応!』
『医療レーザー脱毛は毛根部を破壊する医療行為』
などと力強い言葉が並んでいて、これだ!これしかない!
諭吉を三十数人握りしめて駆け込んだ。
医療レーザー脱毛。照射パワーが違うよね。マジで。
痛みが伴うのは前以って聞かされていた。
でも大丈夫、冷却装置を備えているので照射時には速やかな冷却効果が!とも。
でもね。私くらい毛軍が強いとね。パワー全開で挑まれるんだよ。ホント。
つまり、照射の熱に対してお冷しが追いつかな……
「うわああああああ火事だああああああ!!!!」
めっちゃくちゃに熱い。痛い。熱い。痛い。
子供の頃読んだかちかち山のタヌキの気持ちが今なら解る。燃えている。
背中が、尻が、ギラギラと燃えている。焼き討ちに合ったレベルで熱い。
保護用アイマスクで見えないのを良いことに焼きごてを押し付けられているのかもしれない。何も見えない以上「そうだ」とも「そうじゃない」とも言えない。シュレーディンガーの焼きごてだ。
この令和に熱々なものを押し付けてじゅっと焼く、そんな原始的な方法で毛根を焼いている?肌も一緒に焼けてないこれ?もしかしてこのままソテーにされるのでは?そんな疑問が頭の中を駆け巡る。疑惑が走る。
お姉さん「お痛み大丈夫ですか~?」
私「……大丈夫ですッ!!!」
いいや、これは男塾名物油風呂と同じだ。脱毛への不屈の精神が試されている。絶対に毛根を駆逐してやるという、覚悟。
『覚悟はいいか?オレはできてる』
熱さと痛みに歯を食いしばって耐えた結果、背面の脱毛が終わり仰向けになった時にベッドが汗でビッシャビシャになっていることに気が付く。
背中が冷たい。自分の出した脂汗で。
恐怖した時人類は脂汗を出すのを実感した。背中と尻と太腿が冷たい。
今照射されてる腹は熱い。ものすごい熱い。
そんな感じで通い続けること4回。中々の成果を出してきた。
特にVIOが本当にすっきりさっぱりしてきた。
私は無毛地帯として生きていくんや!
しかし。あと1回でコースは終わりというところで今のコロナ騒ぎ。
まあ、彼氏が居るわけでもなし。人に見せる機会も無し。急ぎでもないし、しばらく待ちますか!ガハハ!
そんな風に流暢に構えていたらまた生えてきた。
一度死亡確認されたはずのIラインが、フェイスラインと鼻の下の毛が。
え、不死鳥?コズミック害獣?
それに脇と膝、おまえらいい加減にしろよ。
やっちゃいけないことの線引き考えろ。
OK、あと1回では到底無理なのは解った。ここまできたら毛軍に勝つまで戦ってやる。やってやる。
俺のターン!諭吉を犠牲にして脱毛を3回分プラスする!
フェイスシェイバーの要らない顔を、ピンセットも剃刀も要らない体を手に入れるまで!冒険は終わらない!!!
戦いはまだ始まったばかりだ!!!!
(よしきち先生の資金繰りにご期待ください)
ブラック・ジャックで見たことある!と病院で叫んだ話
こんにちは。「それはこち亀で履修済み」が口癖のよしきちです。
漫画が大好き。
漫画と言えば手塚治虫。言わずと知れた漫画の神様ですね。
もし知らない方はネット検索して3分以内に戻ってきてください。
※それ以上検索していると、のめり込んでこちらのことを完全に忘れるからです。
そんなわけでブラック・ジャックって皆さんご存知ですよね。
全国民知ってそうですが念のために説明を貼っておきます。
ブラック・ジャックは、天才的な外科医で、死の危機にさらされた重症の患者を、いつも奇跡的に助けます。しかしその代価として、いつも莫大な代金を請求するのです。そのため、医学界では、その存在すらも否定されています。
人里離れた荒野の診療所に、自ら命を助けた助手のピノコとともに、ひっそりと暮らすブラック・ジャック。彼の元には、今日も、あらゆる医者から見放された患者たちが、最後の望みを託してやってくるのです。
この紹介ページだけで胸熱が過ぎるし誰かと3晩くらい語り合いたい。
そんな私が実際に「ブラックジャックで見たことある!」状態になった時の話を。
事の発端は2013年。
某装置と仕事をしていた私。
仕事内容は特に重要でもないので割愛します。
観察する試料(正露丸くらいの大きさ)の端っこに、これまた髪の毛くらいの熱電対を乗っけまして。
熱電対と試料を器具で挟み込み、電気を通してバチン!とくっつける必要があったわけなんですが、これが難しい。
真ん中は観察面なので触れないように。端っこギリギリを攻めて狙い撃ち。
何処を持ったらいいんだよこれ。持つとこないよね?
上手いこといったら今度はこれがギリギリ入る大きさの試料台にセットして……
って何この繊細さしかない作業。
修学旅行で原爆ドームに捧げる為の折り鶴が全く折れず、戦力外通告を受けたことがある女に任せていい仕事じゃないぞこれ。
そんな感じなのでキー!!キキー!とモンキー丸出しで戦っていたら
手が滑り、熱電対が砕け散って手にブッ刺さった。
夜21時、1人の試験室で。
疲れ果てていたので「……いたっ」くらいのリアクションと共にピンセットで除去。
念の為、刺さった部位を顕微鏡で確認してから引き続き作業をしたとさ。
そして4年の月日が流れた!
気が付いたら右手になんか立体感出てきた。ゴリっとしてる。
微かに痛い。めっちゃ痛いんじゃない、微かに。
なんか居るだろこれ。
……まさかとは思うけど4年前の???あの時のあいつがまだ生きて?
いや、そんなバカな。4年ぞ?
時はゴールデンウイーク。
気になりつつも東京に飛びそのまま某イベントに参加。
フォロワーに手を見て貰うと
「確実に何かしら塊がある」
「病院行け」
「何を封じ込めてるの?」
「医者行け」
そんな感じの声しか聞こえない。
確かにどんどん気になって来たし、嫌なボディピアス化してきた。
このままだとミギーみたいになるのでは?共存できるかしら?
いや、人間こそが地球の寄生獣じゃないの?そんな懸念まで出てくる。
さっさと医者に行け、そう思うだろう。私もそう思う。
じゃあ、なにを悩んでいるかと言うと。
掻っ捌いて 開いて 出す
そんな単純且つ蛮族じみた医療行為になるのが目に見えているからである。
行きたくない。でも次月にハワイへ行くのも決まっていたし、
ここは一つすっきりしてから行きたい。でも捌くのは怖い。
しかし、帰りの飛行機で例の箇所に触れるとイヤな感じがする。
突然自分の中の何かが切れた。
もうこんな同居人は要らない!ぜってえサヨナラしてやるからな!
帰宅・即・病院探し。
診てくれそうな病院が徒歩10分くらいの近場にあった。
次の日に開いていたので勢いのまま朝一で行くことに。
~病院へ~
それでも嫌なものは嫌だ。10分の距離が滅茶苦茶長く感じる。
掌をパン!とやってボン!と地に付けたら出ていかないかな、この塊。
出ない。仕方ないから腹を括る。
「手を捌いてください!!!」
「一旦落ち着いて?」
勢いが良過ぎたので仕切り直し。
「かくかくしかじか」
経緯を説明したらまず触診。レントゲンとかじゃないらしい。
「なるほど、確かに何かしらありそうな感じですね」
「と、なると?」
レーザーで砕いたりとかできないかと期待するも。
「捌く他無いですね」
「やっぱ捌くのか~」
「それしかないです。簡単な手術になります」
てきぱきと看護師さんに麻酔の準備を指示し、違う部屋へと案内される。
ひんやりした部屋。すさまじい緊張感。もう帰りたい。
なにこのベッド。患者を寝かせて腕を固定して?
完全に今から薬物注射で処される感じなのでは?
「もしかしなくても麻酔って手に打ちますよね?」
※昔、手が大変なことになって縫われたことがある
「もちろん手ですね~」
「意識飛ぶレベル打って欲しい」
「ダメです」
手に注射をするって 痛いんだなあ。よしを
「麻酔効いてきました?ここ触って感覚は?」
「触られる感じはしますけど感覚はないです」
「大丈夫そうですね」
「あ、もしかして麻酔の威力、これでマックスですか」
【笑顔】
「マックスですね」
~医者再び登場~
「じゃあよろしくおねがいします」
「よ゛ろ゛し゛く゛て゛す゛ぅ゛……」
2人に阻まれて見えない右手。そして何かされてる感覚。
切られてる感覚が気持ち悪い。あとどうしたって痛い。
でも前回指を縫われたよりはマシだなあと天井を見る。
「知らない天井だ」
「エヴァね~」
単純な手術だったので印入れてズバーっと切って貰ってですね。
2人の声が響いたんです。
「うわ~これは……」
「ありましたね~」
「とにかく痛い」
お、やはり予想通り熱電対があったか。捌かれ損にならなくて済んで良かったな~
「米粒?なんで?」
何故かそれを切り始める医者。
「切るんだ……」
「これ、見てください」
「ブラック・ジャックで見たことある!」
「こんな感じのやつブラックジャックでありましたよね」
「本当、ブラックジャックみたいね」
「考えること皆同じ」
「刺さっていた熱電対が体内で悪さをしないようにコーティングされていたんですかねえ。身体って良く出来てる」
「完全にブラックジャックと一緒やん」
「あの……これ、貰ってもいいですか?」
「どうぞ……」(何のために?)
今あまり話に関係ありませんが、私(の手)は吉良吉影の彼女になれると自負しています。
そしてブラックジャックは最高なので読んだことない人は是非読んでください。
一から読めるのハチャメチャに羨ましい。
~fin~
厄年だから『ファスティング』で緩みをブッ飛ばしてみた
こんにちは。去年は前厄、今年は本厄のよしきちです。
色々緩んでいた時の一枚
突然ですが、日本人がどうしても緩んでしまうタイミングをご存知でしょうか?
ああ、すみません。HBの鉛筆をベキッ!とへし折るくらい簡単な問いでしたね。
答えは勿論……
そう、年末年始!
皆さんご存知の通り精神・肉体共に緩むのは、なんと8割が年末年始。
残る約2割は「折角だから」とか「元を取らなきゃ」
そんなよこしまな気持ちが DANCIN' IN THE SUNした時だと言われています。
それもやはり年末年始に良く見られますね。
つまり、日本人は年末年始にダルンダルンに緩む!
何かと人が集まる年末年始には、各地で【美味いもの】が大暴れします。
今回の年越しのようなケースですら「ちょっと贅沢しちゃおうかな!」
なんてお取り寄せをしていませんか?巣ごもり用だなんて買い込んでませんか?
適度な美味いものはハッピーを呼ぶ素敵なものですが、緩みに任せて摂取すると大変なことになります。
かく言う私もご覧の通り(※最初の写真)年末年始は緩みに負けがちです。
しかし一年の最後と始まりに、緩みに敗北したままで
3/5が厄年に当たる 女・30代を生き延びることができるか………?
「NO!NO!NO!NO!NO!」
じゃあ緩みをブッ飛ばすには?
=ファスティングしかない!
ファスティングとは:
断食のこと。ガンジーが抗議をする折に、僧が即身仏を目指す時の前哨戦でお馴染み。書いて字の如く食を断つこと。肉体は勿論、精神も研ぎ澄まされる。
さあ、とにかく緩む年末年始。ファスティングで心身を引き締め
厄年の荒波を乗りこなすとしましょう。
~ここで突然のルール説明~
- 18時間断食(ホテルの朝食だけ摂取)を行う
- 家だと猫の餌を奪う恐れがあるのでホテル泊
- ホテル提供の物は頂くが、他は酵素と多少の塩分のみとする
- 日々の鍛錬の成果を記録し緩みを爆散する
\ 頑 張 る ぞ ! ! ! /
※ファスティングで調べたら出てきたフリー画像:横山ともやさん
1日目 12月30日 ~大後悔時代の幕開け~
※前日から準備段階で食事を減らしており、いよいよ本格的なファスティングに入る。
7時
起床して身支度。昨日の影響で空腹を持て余す。
8時
朝は食べるルールにのっとり軽めの朝食。
十六黒米のごはん、卵、ネギとわかめの味噌汁、白菜の漬物。
昼まで優雅に本を読んで過ごし、白湯を飲む。やたら飲む。
もう既にコーヒーが飲みたい。
でもファスティングにカフェインは良くないとかで飲めない。
12時半
同居人氏の昼ごはんを無の表情で見つめる。
猫のウェットフードってシーチキンみたいな匂いがするんですよ。
ご存知でした?
13時
既にかなり空腹。まだ家なのに。まだ旅立ってもいないのに。
ホテルへ持ち込む装備の最終確認。
年始の小学生の1/30くらいしか持ってない。もうかなり大人なのに。
ホテル代は先払い、電車はICカードで払うので、本当にこれだけ。
カッとしてつい飲食店に飛び込まない為の防衛策。
14時
バス~電車で移動を開始。駅前でワッフルの匂いに歯軋り。
ハンバーガー屋のポップに【松阪牛使用】とあるのを見て「正気かよ」と毒づく。
やってきた電車はかなり空いていた。
停車ごとに人が少しずつ増えるも、普段に比べれば驚きの広さ。
途中、海が見えた。どこまでも続く海。
焼いた貝に醤油垂らして食いてえなあと遠い目をする。
そのうち強風のため電車が止まった。
でもそんなことはどうでもいい。どうせ早く着いても何も食べられない。
乗り換え途中の蕎麦屋の香りに爪を噛み、ホテル最寄り駅の焼肉の文字を見てその辺の石を蹴る。飢えが理性と優しさを粉砕するのを初めて知った。
16時
ホテルに到着。
こちらではファスティング用のプランが用意されているのだ!
無論、正月の間も!
部屋に入ると命の水が置いてあった。
グラスに入った酵素を夜3杯、朝1杯。4~6倍に希釈して頂く。
あとは水を2リットル飲む、ごくシンプルなプラン。
この時点で、これらが命を刈るために研ぎ澄まされた刃にしか思えない。
こんなもんで空腹が収まるか!店主を呼べ!
脳内の美味しんぼが大暴れしているが、これも自分で選んだ道。
来年の本厄に向け。緩みに勝つため修羅の門を潜ったのは自身なのだ。
16時半
夕飯に少し早い時間ではあるが、空腹に負けてまずは一杯目。梅味の酵素を飲む。
一口飲んだ瞬間、エステのお姉さんに掴まって買ったことがあるのを15年越しに思い出した。あれは完全にキャッチだった。
それでも、何もかも皆懐かしいと思える程度に時は経っている。
味がするものを口にして少しだけ人間性を取り戻した。
この隙に持ってきたものを配置。
本もストイックなラインナップ
パソコンとタブレット、付随する充電器がかなり重かった。
肩が3個くらい取れるかと思った。
入浴剤、ネックウォーマー、塩タブレット、ワセリン、眼鏡。
そして欠かせないのが足を冷えから守る厚手のタイツ。
経験上、ホテルのパジャマは貧弱としか言えないガード性である。
加えて、どれだけエアコンで部屋を暖めたところで足元は寒い。
これを理解できていないと死ぬ。
装備も整い、やれやれと落ち着いた瞬間、空腹は笑顔で手を振ってくる。
急に顔を見せにやってくるのが母親と空腹。本当に勝手に来る。
……そう言えばフロントで謎の小袋を貰ったんですよね。
これはもしかしてチョコ……的な?な?
貰ったものは食べて良いルールですし?
冷静になれば解ったはずだ。泣いてない。
まだこれを口にするほど壊れてない。大丈夫。
17時
冷えてきたしここは風呂だ。風呂で気を紛らわせるしかない。
体重をとりあえず記録する。
風呂に浸かりつつ「京極夏彦なら断食中も大丈夫」と
謎の太鼓判を押された『虚談』を読む。
なのに早速スイートポテトがでてきた。話が違う。
17時半
まだ夕飯の時間じゃない。早過ぎる。解っているが2杯目の酵素を飲む。
風呂から上がった瞬間飲む。
虚ろな顔で失礼します。こちらはレモン味っぽい。
レモン……。檸檬酎ハイ飲みたいしゲソ焼きが食べたい。
こんなにも食べ物のことを考えたことは無いかも知れない。
18時
note用の記事を書きつつ、塩タブレットを齧り白湯を飲む。
おまえたちだけが友達だ。
まずは水1本目(0.5L)を飲み切る。
19時
家電芸人見たさにアメトーークを流し見する。まんまと焼き芋が出てきた。
スイートポテトと組んでやがったな!そんな妄言が口から飛び出す。
耐えきれずに3杯目の酵素を飲む。これで今日の食事は終了だ。
続いて画面には焼き立ての食パンが出てくる。やめろ!やめてくれ!
耐えきれずテレビを消し、素早く高級食パンについて調べ始める。
もう誰も僕を止めることは出来ない。未だ使った事がないウーバーイーツを開く。
そんな文字にたしなめられ、そっと画面を閉じた。
20時40分
白湯を飲む。これで2本目(1L)消費
とにかく空腹だ。集中力もくそもない。
何も書く気にならない。パソコンになんて向かってられるか!
タブレット2個目を口にしてベッドへ飛び込む。
21時50分
電子コミックでカレーの話を読んでしまう。
案の定カレーが食べたくて気が狂いそうになってきた。
白湯を飲む。白湯しかない。
気を紛らわせようとパソコンに向かい狂い豚カレーのPOPを作る。
カレーが食べたい。
ビリヤニが食べたい。
そうだ、前から行きたかった店について調べよう。
この戦いが終わったらあのビリヤニの店へ行こう。
これで楽しみが出来るってもんよ!
普通に正月は開いてなかった。
23時
全てを諦めて就寝。
2日目 12月31日 ~好転反応との戦い~
6時45分
ベッドから這い出る。
2時、4時にも目が覚めたので眠りが浅い。
朝食を食べたい。
それしか考えていないがここに来た目的を思い出し、緩み打破の指標として体重を測る。
体重が減っているけど、あれだけ食べてなきゃそりゃあ減るでしょうよ!と毒づく。
毒出しの効果がここにも出ていることに驚きを隠せない。
昨日から気が付いていたけれど、水道の水がびっくりドンキー……と言ってしまう程にマズい。ハンバーグディッシュ食べたい。
朝の白湯を飲む。この時点で3本目(1.5L)を使い切る。
その後、朝風呂に入ろうとしたら風呂場に残ったカボスの香り (昨夜の入浴剤の抜け殻) のせいで思考が紫蘇に包まれる。
物凄くササミ焼が食べたい。こんなところに伏兵がいるとは思わなかった。
朝食の酵素1杯を飲み、追い白湯を飲む。
運動不足の為、軽い運動も欠かさない。偉い。
8時
朝ご飯を食べに来たが予想以上に人気が無い。
朝ご飯はお弁当にして部屋で食べられるので皆そうしてるのだろう。
しかし少しでも人間と会話をしたいのでレストランで食べる。
待ちに待った食べ物だ。
味噌汁の味が濃い。ごはんが甘い。鶏肉がめっちゃ美味い。
きんぴらの輪郭がはっきりする。パイナップルが脳に直で届く。
しかし久々の食事のせいか、物凄くお腹いっぱいになる。
既に胃が小さくなり始めているらしい。
部屋に持ち帰ってちょっとずつ食べたい。
食後、飲み終わった酵素のグラスをフロントに返却し、新しいものを貰う。
この時の「(酵素)ありがとうございます」が今年最後の会話となった。
9時半
4本目(2L)に手を付ける。酒なんて贅沢は言わない。炭酸水飲みたい。
この辺から頭痛と眠気が助走付けて殴りにきた。
耐えられずベッドに滑り込み寝始める。
12時
なんとなく起きる。
部屋から出る気はなく、掃除を断ったのでアメニティはドアの前に置いてある。
新たに水も増えたので、またもや白湯を飲む。これで4本目(2L)飲み切る。
気が付けばインド料理屋のホームページを見ていた。
夢のような写真が並ぶ。
チキンカレーミックスシーフードカレープロンキーマカレープロンサグカレーマトンブナオニオンクルチャサブジナンマトンカレージンガベーガンパーパドチーズナンタンドリーチキンチャイベジタブルカレーナンサグパニールガーリックナンビリヤニチキンサグカレーサダナンバトゥーラムグライナンチキンチャットラッシータンドリーチャパティキーマエッグカレーアルーチャットマサラコフタキーマベーガンカレーマッカーニプランタマッカニーナンプロンカレーマトンホットポットラムチョップダルマサラチャナカレーベジタブルチキンティッカキーマナンマサラパラオフィッシュカレープロンマッカーニマトンサグカレーベジタブルパラオアループランタインドデザート
しかし冷える。食べてないからという説もある。
苦痛に耐えきれぬ時用に貰ったノンカフェイン紅茶を今こそ飲むべきだ。
味が付いた飲み物ってハチャメチャに美味い。
14時
気が付いたら地元の美味しい店を探して予約の空き状況を見ていた。
怖い。もう無意識の自分が怖い。
この辺でお茶の効果か身体が温かくなってくるも、頭痛に耐えきれず
「ええいもう限界じゃ!!」と鎮痛剤を投入。
薬が効くまでオモコロを見て気を紛らわそうとしても空腹で気持ちが悪い。
自分のスマホに食べ物フォルダがあることに気が付く。
どうしてこのタイミングで。
自動生成されたそのフォルダをうっかり開きダメージを受ける。
16時
寒い。本日2度目の風呂へ。
5本目(2.5L)を飲み切る。しかし実家とそっくりの風呂だ。
更に今日は大みそか。
うっかりすると帰省してる気分になるが今回は蟹も鮨も蕎麦もない。
ここにあるのは酵素と白湯、そして京極だけ。
何故こんなことになったんだ。あ、そうだ厄年だとか緩みとか言ってた。
緩んでて何が悪いんだよ!!
遂に身も蓋もないことを言い始めた。
17時
風呂から出る。こんな年越しは初めてだ。
訳のわからないパワポを作り始め、飢えに耐えきれず今日1杯目の夕飯。
2杯目は無意識に飲んでいた。怖い。
18時
引籠りっぱなしで座ってるか寝てるか。流石に身体が怠くなってきた。
同じフロアにマッサージ機があることを思い出し、外の世界へおでかけ。
誰も居ないそこに座り、1時間程宇宙を見る。
19時
今年最後の食事、3杯目を飲む。しかし怠い。なんなのだ一体。
調べてみるとこれらの怠さ、頭痛、眠気は好転反応というらしい。
好転反応とは
症状が改善する過程で一時的に起こる反応のことです。細胞の毒素や老廃物が血液中に流れ出る影響であらわれる、さまざまな反応や機能障害のことをいいます。ファスティング中に起こる頭痛や吐き気などは、好転反応の可能性が高いです。
https://www.dandy-house.co.jp/article/diet/6751/
そうかそうか、これらは全て必要な……
うわあああああ!!!!!怠いいいいいい!!!!!卵粥とか食べたあああい!!!!!!
-ここからの記録はかなり朦朧としている。
記事を書く
進まない
6本目(3L)飲み切る
オモコロ杯のルール見る
お腹空いた
書く
神社面白い
お腹空いた
だしのみたい
頭が回らない
うどん
21時
我に返ってタブレットを齧り、7本目(3.5L)を飲み切る。
ここで本格的な風呂へ。
まさかの今日3回目。風呂しか楽しみが無い。
今まで死んでいた腹の虫が急に鳴き始めた。早めの第九だ。
22時
昼寝たのに眠い。蕎麦がない。うどんもない。
紫蘇の匂いだけする。ササミ。
22時半
猫と友人と共に過ごす同居人から写真が送られてきた。
最早人を呪う力もない。年越しを待たずに寝る。
3日目 1月1日 ~破壊と再生~
6時半
目が覚める。
なんだかお腹が痛い。ねじ切れるように痛い。
なにこれ新しい病気?と思ったけど、どうも違う。ただ痛い。
とりあえず記録を取る。
予想よりも減っていない。こんなに腹が空いているというのに?
いや、腹が空いたより痛いが強すぎる。
歯を磨き、8本目(4L)の水に手を付ける。
急に気分が悪くなってきた。吐き気がする。吐くものなんて何も無いのに?
しかし吐いた。
コンポライアンスの関係上、色は明かせないが液体を吐いた。
呻き声と共に、最悪な1年の幕開けとなった。
7時
うがいをして白湯を少し飲む。変な汗が出る。終わらないタイプの悪夢。
立っていられなくなり、横になる。
今日は何の日?元日!!!
芋虫のように丸まり、そのまま布団に埋まる。
その後!夢と現実をさまようこと実に2時間!
9時
ろくでもない夢を3本立てで観たところで飛び起きた。
脂汗と吐き気は収まった。
食事をしていいものか謎だが、朝食は既に用意されているので食べることに。
朝の酵素を飲み、アポストロフィーを思わせる変な寝ぐせのままフロントへ。
今年初めての会話は「酵素ください」だった。
やはりハッピーに程遠い幕開けだ。そのままレストランへ行く。
なんか食べ物の味がくっきりするなあ、と1人で頂く。
野菜の青臭さが美味い。米って素晴らしい。豚肉と玉ねぎで世界は救える。
みかんってこんなジューシーだっけ?
それにしても今日も私以外誰も居ない。すごい。
時々お弁当を取りに来る人は居るけれど食事をしても一人。
あまりに人と喋ってないのでレストランの人に「ごちそうさまでした」に加え
「美味しかったです!」と元気よくお礼を言う一幕も。
10時
部屋に戻り、横になる。動くのがまだ怠い。
スマホで調べものをしたりボンヤリしたりしていたら時間が経っていた。
12時
起き上がり、置いてあった観光雑誌を読む。
フルーツが食べたい。今食べたいすぐ食べたい。
変な動きでそう歌い出したので落ち着くために9本目(4.5L)の水を白湯に変身させて飲む。
虚無を持て余し、今度は朝ドラみたいなヘッダーを作り始めた。
多分要らない。
13時半
部屋にこのまま居てはいけない。
本能がそう告げたので外に出ることにした。
川沿いを歩く。冷たい風が爽やかだ。
そう言えば今日は1月1日だ。
着物を着たちびっ子を含む、親子三代であろうファミリーとすれ違う。
川辺に下り、すぐ傍で流れる水を眺める。
向かい側。散歩する年配の夫婦と若いカップルが通っていく。
しかし、この辺りで変化が。
段々と飢えと食欲が落ち着いてきたのだ。
所要があり立ち寄ったセブンイレブンでさっきあれだけ食べたかったフルーツサンドが目に飛び込んでくるも「私には過ぎたるものです」と謙虚な気持ちが芽生える。
あんなに輝いていたホットスナックは灰色だ。
これが……悟り?
散歩から戻るとフロントで甘酒を頂いてしまった。
匂いが苦手で飲んだことが無い。でも頂いたので飲む。
「あまい、うまい」
自然とすごく頭の悪い感想が飛び出した。今まで飲まず嫌いだったようだ。
元日に新しい私デビュー、ってね。
人と喋らな過ぎて面白くない独り言も絶好調だ。
15時
10本目(5L)に手を付ける。
noteに去年の記事まとめを描く。やっと頭痛、怠さも収まり集中力が出てきた。
16時半
白湯を飲みつつ書く。絶好調!誰も僕を止めることはできない。
17時半
書き終わって一息。
食欲が大分落ち着いてきたせいか、完全にカレー・ビリヤニへの未練を振り切る。
あれだけ未練タラタラだったのに。
この辺りから本格的に食欲はない。でも腹は減るゾーンに突入していく。
人体の神秘。
18時
夕飯1杯目。
しいたけ占いを読んだり、面白い記事をひたすら読んだりと忙しい。
2,3杯目も続けて飲む。
19時
また別の記事を書く。勤勉。
不思議とアレが食べたいコレが食べたい欲が消え失せるも
腹は鳴っている。不思議!
20時半
風呂に浸かる。
京極夏彦をやっと読み切ったがまさしく虚談だった。
すっきりする話が一つも無くて凄い。
水摂取量は12本目(6L)に突入。寝るまで記事を書き進める。
22時
就寝。
4日目 1月2日 ~日本の夜明け~
6時45分
起床。
腹に鈍痛。どうも生理ちゃんが遊びに来たらしい。
普段きっちりしてる勢だが3日早い。ファスティングの影響だろうか。
軽く風呂につかり、記録。
最早食べたい欲が湧かなくなってきた。やっぱり人体の神秘。
13本目(6.5L)の水を飲み軽い運動をし、久々に化粧をする。
そう、この数日ずっとすっぴんだったのだ。
8時過ぎ
朝食へ。
相変わらず人が居ない。来てもやっぱりお弁当を受け取り、帰って行く。
味噌汁から出汁を感じる。うまみ。漬物の歯ごたえ最高。
切干大根の素朴さが良い。みかんは最早スイーツ。
でも食べたい欲が湧かない身にとって、このしっかりした食事は多すぎる。
初日の自分に分けてあげたい。
9時
部屋に戻り片付け。
11時のチェックアウトまで、はてなブログを作るなど作業をしホテルを出る。
荷物は相変わらず重い。4つ目の肩が取れたかと思った。
帰りも電車は空いていた。
ようやく自由に食べられる昼ごはんをどうするか考える。
何も浮かばない。
行きの時と同じく、窓からは海が見えた。
でも、焼いた貝を食べたいと思わない。
駅に着くと蕎麦の香りが、ワッフルの匂いが、松阪牛の文字が
「おつかれっす!」そう声を掛けてくる。
それでもピンとこない。
バスに乗り、重たすぎる荷物を抱えて帰宅。同居人の姿はない。
結局、急に食べるのも良くないだろうと茶わん半分程のご飯を雑炊にして頂く。
猫を吸い、帰ってきた同居人氏と共に録画しておいたM-1の舞台裏やガキ使の特番を見て呑気に過ごし、夜は鍋を食べた。
しかし、びっくりするほど胃が小さくなっている。
控えめな量を頂き、デザートに食べた市販のフルーツヨーグルトが甘すぎると感じる。
「これはもしかして……?」
~大した努力もせず8億円手に入りますように~